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Top Interview トップインタビュー

ビジョン

障害者とその家族の皆さんに、さまざまな「場所」や「機会」を提供し続ける。それが私たちのビジョンであり、使命です。そして、そのビジョンが将来的には障害者福祉の業界全体の発展に結実すると考えています。ゆたか福祉会は、国内に公的な福祉制度がまだしっかり整っていなかった1969年に、全国初の「共同作業所」を設立しました。以来50年以上に渡って、障害者福祉の最前線で常に新しい取り組みに挑戦。日本における障害者福祉への理解は、当時に比べればかなり深まったと思います。しかし、それでもまだ十分とは言えません。障害者福祉のパイオニアとして培ってきた歴史に誇りと責任を持ち、そのビジョンを達成するために、さらなる前進を続けたいと考えています。

ビジョンに対しての課題、
対策

障害者への理解は以前に比べて深まりましたが、一方で近年は「障害」の多様化が進んでいます。それがビジョン達成における課題のひとつです。私たちは時代の流れに合わせて障害者福祉のあり方や法人内の仕組みを見直し、常にブラッシュアップを続けなければなりません。そんななか、私たちが最も重視しているのは職員の「人間性」です。相手を理解し、共感できる人。「人間の尊厳を大切に考えられる人」と言ってもいいでしょう。その上で、障害のある方たちと一緒に物事を考え、課題解決に向けて自ら動き、たくましく困難を乗り越えていける「積極性」や「行動力」を持っている人を求めています。つまり、障害の多様化という課題を解決するためには、人へのやさしさや人権意識をしっかり持った職員の存在が不可欠なのです。

採用の流れと、
力を入れていること

採用については、採用試験の前にまず私たちの実際の職場で2日間の現場体験をお願いしています。これは、私たちがどのように仕事と向き合っているのかを知ってもらうと同時に、障害者福祉という仕事についての理解を深めてもらいたいからです。入職前と入職後の職場イメージの齟齬をなくすことも目的のひとつです。入職1〜2年目には、基礎となる知識や技術の習得を目指し、3年目には責任を持って働ける環境を提供し、5年目あたりから現場のリーダーとして施設運営にも携わってもらえるようなステップアッププランを構築、実施しています。新人研修では合宿を含めた独自の研修を、3年目や5年目などの節目になる年には大学教授の協力のもと、最先端の技術論や方法論を学ぶ、その時々にマッチングした研修を行っていることも特徴です。

海外研修などへの取り組み

海外研修については、10年以上続けてきた福祉大国スウェーデンでの研修から、近年はベトナムでの研修に切り替えています。これは、過去の戦争の影響もあり世界で最も障害者の多い国と言われるベトナムの現状を知ることで、日本での福祉のあり方を根本から見つめ直し、幅広い視野を持って仕事に取り組んでほしいからです。ゆたか福祉会は、自分たちの「実績」と「理念」を次世代へ継承していくことを常に意識していますが、そのためにはまず自分たちの「歴史」と「現在位置」を正確に知ることが必要です。この海外研修は「歴史」と「現在位置」のうち、後者の「現在位置」を知るための取り組みと言えます。

歴史を振り返る

歴史は人の心を揺さぶり、意識の変革を促します。「こんなことがあったのか」という気づきがきっかけになり、物事を広い視野で見つめることができるようになる。最初にお話ししたように、日本における障害者福祉への理解は、50年前に比べればかなり深まりましたが、まだ十分ではありません。私たちは2002年に『ゆたか物語〈新装版〉ーー創ってきたのは笑顔と未来』(2002年/クリエイツかもがわ刊)という、ゆたか福祉会の創立からの歩みを小説仕立てにしてまとめた書籍を刊行していますが、これは日本の障害福祉の歴史を客観的に知ってもらうとともに、日本の障害福祉の歴史とその黎明期から試行錯誤を繰り返してきた私たちの思いを理解してもらうことを目的に刊行したものです。興味のある方は読んでみてください。

Message

求職者へのメッセージ

障害者とその家族の皆さんに、さまざまな「場所」や「機会」を提供し続けることに加え、障害者を支える職員の皆さんの「生活」を守ることも私たちの使命です。資格取得に向けてのサポートのほか、休暇や給与などの福利厚生においても注力し、「子育てサポート企業」の認定や「次世代認定マーク」の取得、また、新入職員についての有給休暇体制の見直しなど、すべてのスタッフが働きやすい職場づくりを目指し、常に改善を続けています。障害者福祉の分野に興味のある方は、ぜひ、一度見学に来てみてください。ゆたか福祉会に入職される方には、私たちと一緒に「未来」につながる物語をつくり、その主人公になるような気持ちで仕事に取り組んでほしいと願っています。